私的イコライザー考(その8・続々続補足)
あえて最初はモノーラルで調整することについて、もうすこし補足しておこう。
このとき使うプログラムソースは、編成の少ないものがいい、と思う。
そしていろいろなヴァリエーションをもたせて、枚数を用意する。
たとえば男の人の声のもの、女声のもの、それからチェロのソロ、ヴァイオリン・ソロなどなど。
モノーラルで再生するわけだから、
左右のスピーカーの中央にそれぞれ歌い手だったり、チェリストがぴたっと定位するはずだが、
現実には帯域によってずれることがある。
これをグラフィックイコライザーで調整してみると、
定位がずれているところを補整するために、その部分がどの周波数あたりなのか、
それをツマミを上下させながら探し出していくことをくり返していく。
そうやっていくうちに、たとえば男の人の声のどのあたりが、
どのへんの周波数からどこまでなのか、そういったことが、やっていくうちにつかめてくる。
音楽における中域とオーディオ帯域における中域とが、周波数的にはけっこう違うこともわかってくる。
イコライザーへの馴れ方は人それぞれだから、この方法よりもいい方法が、人によってはあるだろう。
でも、いちどグラフィックイコライザーに試してみて諦めてしまった人は、ぜひモノーラルでやることで、
もういちど挑戦してほしいと思う。
最終的にグラフィックイコライザーを採用するかしないか、よりも、
グラフィックイコライザーにとり組むことで、音の正体、というものが見えはじめてくる、と思う。