ダブルウーファーはロマンといえるのか(その2)
JBLの4350Aと同時代のダブルウーファー(それ以上)のスピーカーシステムは、いくつかあった。
国産スピーカーシステムては、デンオンのSC107(25cm口径二発)、
サンスイのSP-G2300(25cm口径二発)、SP-G300(30.5cm口径二発)、
テクニクスのSB9500(35cm口径四発)、
海外スピーカーシステムでは、アリソンのAlison:Two(20cm口径二発)、Alison;one(25cm口径二発)、
B&MのMonitor 5(16cm口径六発)、
BOSEの601(20cm口径二発)、
ボザークのB4000A(30cm口径二発)、B410(30cm口径四発)、
ダイナコのA50(25cm口径二発)、
エレクトロボイスのSentry iV(30cm口径二発)、
ESSのHD13(30cm口径二発)……、これら以外にもまだまだあるが、このへんにしておく。
意外にダブルウーファーのシステムはあった。
それに加え、1970年代後半はドロンコーン(パッシヴラジエーター)方式のモノも多かった。
ウーファーユニットよりも大口径のパッシヴラジエーターのモノもあれば、
同口径で見た目もウーファーと同じで、一見ダブルウーファーを思わせるモノもあった。
視覚的には同じように見えることもあるダブルウーファーとパッシヴラジエーター方式だが、
低域の拡張を図っているのは、ダブルウーファーではなくパッシヴラジエーターの方である。
意外に思われる方がいるかもしれない。
4350Aは15インチ(38cm)口径の2231Aを二発収めている。
4343は一発だけである。
二発と一発。
同じユニットを使っている限り、基本的には低域の再生帯域の下限をより低くすることはできない。
ダブルウーファーにしたからといって、同じユニットを使っている場合は、
一発では30Hzどまりだった低音の再生下限が20Hzになることはない。
もちろんエンクロージュアの容積が変り、バスレフ型ならばバスレフポートのチューニングも変えれば、
もう少し下まで延ばすことは可能だが、
同じユニットで、ウーファーに対する容積、バスレフのチューニングが同じであれば、
無響室での周波数特性的には一発も二発も変化があるわけではない。