オーディオ評論家は読者の代表なのか(その8)

そんな違いはどうでもいいじゃないか、と思われるようと、
私がここにこだわるのは、
私にとっての最初のステレオサウンドが41号と「コンポーネントステレオの世界 ’77」ということが関係している。

41号の特集は世界の一流品だった。
スピーカーシステム、アンプ、アナログプレーヤー、テープデッキなど紹介されている。
オーディオに関心をもち始めたばかりの中学生の私にとって、
世の中には、こういうオーディオ機器があるのか、と読んでいた。

いわば41号は、現ステレオサウンド編集長がいうところの、
《素晴らしい音楽を理想の音で奏でたい、演奏家の魂が聴こえるオーディオ製品を世に広く知らせたい》
という編集方針の一冊ともいえる。

「コンポーネントのステレオの ’77」は巻頭に、
黒田先生の「風見鶏の示す道を」があることがはっきりと示すように、
これは《素晴らしい音楽を理想の音で奏でたい、演奏家の魂が聴こえるオーディオ製品を世に広く知らせたい》
という編集方針の一冊ではなく、
はっきりと《「聴」の世界をひらく眼による水先案内》の編集方針の一冊である。

私はたまたまではあるが、同じようにみえて実のところ違う編集方針のステレオサウンドを手にしたことになる。
38年前、私が熱心に読みふけったのは「コンポーネントステレオの世界 ’77」だった。

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