ミッドバスとしてのD130(その6)
ミッドバスに15インチ口径のフルレンジをもってくることはバカげていることと思う人もいるだろう。
そんなことをすればシステムが非常に大がかりになる。
いつのころからか、スピーカーシステムの大きさは部屋の大きさに見合ったほうがいい、と考える人、
主張する人が多くなってきた。
でも小さな部屋で、そのエアーボリュウムに見合う小さなスピーカーシステム。
1970年代ごろの、そういった小型スピーカーシステムと違い、
現在の小型スピーカーシステムはパワーもはいるし、音圧もとれる。
だから同列に考えることには多少の無理があるのはわかっているけれど、
小型スピーカーはエアーボリュウムがあり響きの豊かな部屋の方がうまく鳴ってくれることがある。
小さな部屋こそ、私はできるかぎり大きなスピーカーシステムを置きたい、と考える。
そんなのは古すぎる考え方だといわれようが、音量を絞っても音の豊かさを失わないのは、
やはり大型スピーカーシステムであることが多い。
だから私はD130をミッドバスという、バカげたことを真剣に考える。
でも、これは本当にバカげたことなのだろうか、と思う。
たとえばBBCモニターのLS5/1は、
中域の特性を重視して、12インチ口径ではなく15インチ口径を選択している。
低域の特性の間違いではない。
それから……、と書き始めて思い出したのが、ステレオサウンド 38号である。
「オーディオ評論家 そのサウンドとサウンドロジィ」が特集の号だった。
そこに上杉先生のリスニングルームの訪問記がある。
1976年、上杉先生が鳴らされていたスピーカーシステムはタンノイのオートグラフ、
それに自作のモノだった。