Date: 9月 13th, 2010
Cate: 電源
Tags:

電源に関する疑問(余談)

1年ほど前ことになるが、知人からアンプのことで相談があった。
彼が使っているのは業務用のパワーアンプで、何に困っているかというと発熱だった。

スペックをみてもそれほどの大出力アンプではないし、
回路図が、そのアンプメーカーのウェブサイトからダウンロードできたので目をとおしても、
発熱に関しては、それほど問題にならないはず、と判断できたにもかかわらず、
実際に知人の使っているアンプは、電源をいれてわりとすぐに天板がけっこう熱くなり、
2段切替えになっているファンも常時フル回転している。

30分ほど動作させたあと、天板をとってヒートシンク、その他の箇所にさわってわかったことは、
この熱の発生源はヒートシンクよりも、電源トランスだったこと。

電源トランスがすぐに熱くなり、すぐ近くのヒートシンクにもその熱が伝わっていた。
不思議なのは、電源トランスがこれほど熱くなること。
回路図上で電源トランスまわりをみると、ひとつ気がついた。
このアンプは、電源トランスの1次側のタップの配線をなおすことで、100、120、220、240Vに対応できる。
知人のアンプは、とうぜん100V仕様になっていた。

一見問題ないように見えるのだが、
もうすこし気をつけると、100V時だけ、他の電源電圧時と仕様が異ることがわかる。
1次側の巻線は120V用のがふたつある。

そのうちのひとつの巻線に100V用のタップが出ている。
120V時には、このふたつの巻線を並列にしているし、220V時には直列に接続して100V+120Vで対応している。
240V時には120V+120Vで、240Vにしている。

つまりふたつの1次側巻線を、100V時だけはひとつしか使っていない。
この電源電圧では、並列にしろ直列にしろ、巻線はふたつとも使っている、その違いがあった。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]