日本のオーディオ、これから(テクニクス・ブランドの復活・その5)
1975年にMK2となったSP10。
それ以前に、Technicsのロゴの前からナショナルのマークは消えている。
いつごろ消えたのかははっきりとしない。
ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」テクニクス号でも、確認できる。
何枚かのSP10の写真が載っていて、Technicsのロゴだけになっているのがある。
SP10は1970年6月の発表だが、
ダイレクトドライヴの発表は一年前に行なわれている。
この本によると、ダイレクトドライヴの開発に松下電器産業が着手したのは昭和41年(1966年)頃となっている。
SP10登場まで四年間である。
ダイレクトドライヴの開発にあたったのは音響研究所では無線研究所である。
ダイレクトドライヴ登場以前、モーターゴロを発生するプレーヤーが当り前のようにあった。
当時のオーディオ雑誌のプレーヤーの評価記事をみても、モーターゴロという単語が登場する。
モーターゴロがあればターンテーブルのS/N比は十分な値が確保できない。
SP10の登場、つまりダイレクトドライヴの登場は、アナログプレーヤーのS/N比を確実に向上させている。
無線研究所では、それまでのアナログプレーヤーの一般的なS/N比25〜30dBに対し、
60dBを目標としていた。