ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その26)
JBLのSG520は、マークレビンソンのLNP2に惚れ込まれていた瀬川先生が、
LNP2が登場するまでやはり惚れ込まれ、自宅で使われていたコントロールアンプであったことも、
もちろん大きな理由のひとつ。
でもそれだけではなく、これも瀬川先生が書かれたものと関係していることが、ひとつある。
瀬川先生はFMfanに連載記事を持っておられた。
そのなかで、あるユーザーのお宅の音について書かれていた。
瀬川先生が手術をうけられた熊本の外科医の方の音について、だった。
スピーカーシステムは、エレクトロボイスのパトリシアン800(おそらく復刻のほう)、
プレーヤーシステムは、トーレンスのリファレンス、アンプは、SUMOのThe Goldを決めてから、
あれこれコントロールアンプを試された結果、たどりついたのがSG520だった、とその記事にはあった。
LNP2も試されている。他の著名なコントロールアンプも試されたうえで、
すでに製造中止になっていたSG520をつないだときに、当時優秀録音として、
瀬川先生もステレオサウンドの試聴によく使われていたコリン・デイヴィスのストラヴィンスキーのレコードから、
いままで耳にしたことのないグランカッサの音が鳴ってきたからだった、というふうに記憶している。
これを読んだとき、SG520はやはりすごいアンプなんだ、とまた刻まれたからだ。