オーディオマニアとして(その3)
CDプレーヤーは、そう遠くない将来なくなってしまうんじゃないか、といわれる。
そうかもしれない。
細々と残っていてくのかもしれない。
なくなってしまうと心配している人は、いまのうちに気に入ったCDプレーヤーを、
その時ための呼びとして確保しておかなければならない、という人もいるときく。
その気持、わからないわけではないが、
予備としてもう一台、CDプレーヤーを購入したとして、
その人は箱に入れたまま、その時がくるまで保管しておくのだろうか。
それともいま持っているCDプレーヤーと交互に使っていくのだろうか。
旧いアンプを使っている人は、そのアンプに使われているパーツ、
それも未使用品を故障した時のために保管している人がいる。
この気持もわかる。
けれどどちらの場合も、ただ保管しておくだけでは、CDプレーヤーもパーツも劣化していく。
元箱に入れたまま保管しておけば、外観はきれいなままだが、肝心の中身はどうか。
もちろん中身もきれいなままである。
きれいなままであれば、性能が劣化していないのであればいいのだが、そんなことはない。
使わずに保管していても、どんなものであれ劣化していく。
トランジスターも同じだ。
リード線のところから湿気が内部に入り込んでいく。
保管という点に関しては、実はトランジスター、半導体よりも真空管のほうが長持ちする。
この点に関しては半導体の技術者に確かめたことがある。
技術者もまった同じ意見だった。
ただ保管しておくだけだったら真空管のほうが、まだいい、と。
半導体は、特に古いトランジスターは湿気の影響を受けている場合がある。
もちろん、古い、製造中止になっているトランジスターのすべてがダメになっているわけではないが、
使わずに大事に保管しておけば、新品のままを維持できる、というのは幻想でしかない。