ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その12)
GASはGreat American Soundの略だと書いたが、正しくは頭に”The”がつく。
The Great American Sound co.inc である。
正直、このセンスについていけなかった。というよりも抵抗感があった。
しかも当時のステレオサウンドに載っていた輸入元バブコの広告に、
そのころ話題になっていた映画「スターウォーズ」のパロディ的な内容のもがあった。
アンプジラが、他社のパワーアンプを攻撃している内容のイラスト。
アンプジラ(アンプのゴジラという意味)のネーミングのセンスもすごいけれど、
この広告も(輸入元のセンスなのか、GAS側センスなのかは不明だが)、
背伸びしたい年ごろは、繊細なものへの関心がつよく、
この手のものには興味が涌くというよりも、抵抗感のほうが先に立つ(私はそうだった)。
それに意外とご存知ない方がいらっしゃるが、コントロールアンプのテァドラには、初期にホワイトパネル仕様があった。
でもツマミは黒。これを見た時、「パンダだ」と思ってしまった。
それに当時、何で読んだのが最初だったかはもう忘れてしまったが、
人の声の再生には、パワーアンプはA級動作のモノがよい、というのがあった。
出力は犠牲にしても、音の滑らかさ、繊細さに、ニュアンスに富む音、ということであれば、
これにまさるものはない……、いつまにやらそんなことがすでに頭の中にできあがっていた。
だからアメリカのパワーアンプなら、
スレッショルドのデビュー作、800Aのほうにずっとずっと魅力を感じていた次第だ。