ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その10)
とにかくむさぼるように読み、くいいるように見ていた。
組合せの写真をみながら、「この感じいいなぁ」と感じていたのは、
ブリガンタンの組合せのほかに、瀬川先生によるタンノイ・アーデンの組合せ。
見出しはこうだった。
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室内楽の静謐な、
しかも求心的な響きを
アーデンとLNP2の組合せによる
密度の濃い音で楽しむ
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アーデンを鳴らすのは、マークレビンソンLNP2とスチューダーのパワーアンプA68の組合せ。
レコードは、ラサール・クヮルテットのベートーヴェン。
「コンポーネントステレオの世界 ’77」が出たのは12月。
寒い季節だったから、
よけいに、ブリガンタンの組合せとともにアーデンの組合せの写真が醸し出す雰囲気に惹かれた。
このふたつの組合せとは対照的に強烈な印象だったのは、
岩崎先生によるマイルス・デイヴィスのエレクトリック・サウンドのためのシステムである。
スピーカーはJBLのL300と予算を抑える組合せのためのパイオニアのCS616、
アンプはL300用にGASのセーベとアンプジラのペア、CS616にはダイヤトーンのDA-P10とDA-A10のベア。
レコードは、マイルスの「Get Up With It」。
見出しはこうだ。
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マイルスのエレクトリック・サウンドによる
リズムの饗宴を
GASがドライブするL300の
豪快な大音量で聴く
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私が求めている音(というよりも世界)とは正反対だ、と漠然と思っていた。