サイズ考(その68)
表面実装パーツを全面的に使用すれば、
アンプやCDプレーヤーなどのオーディオ機器のサイズはかなり小さくすることも、それほど難しくはない。
電源もスイッチング方式を採用すれば、10年、20年前では考えられなかったサイズまでコンパクトに仕上げ、
性能も維持できるようになってきた。
音のよいオーディオ機器はたいていサイズが大きいものだ、という認識は少しずつ変ってきている時期に、
いまはなりつつあるといえるだろう。
私が小学生のころは、「大きいことはいいことだ」というコマーシャルソングがよく流れていた。
だからというわけではないが、1970年代のオーディオ機器で、私が憧れていたモノは、LS3/5Aを除くと、
ほとんどすべて、そのサイズは大きいものばかりだった。
ただデカければそれでいいというわけではもちろんないが、それでもある程度の大きさ、
それも必然の大きさであれば、それはそれで憧れの対象となる。
EMTの927Dstの大きさは、30cmのLPをかけるのにはやや大げさなサイズではあるものの、
あの音を聴き、実際に927Dstのしっかりした構造にふれれば、そのサイズも憧れのなかにふくまれてくる。