オーディオ・システムのデザインの中心(その16)
最近の、一部のオーディオ機器のデザインを見て思うのは、
このアンプなり、CDプレーヤーなり、スピーカーなり、アナログプレーヤーを開発した人は、
オーディオはコンポーネントであることを、どう考えているのか、である。
つまりオーディオは組合せである。
どんなに優れたスピーカーシステムであっても、
そのスピーカーシステムだけ持っていても音は出せない。
アンプだってそうだ。優秀なアンプを持っていても、
スピーカーを接ぎ、CDプレーヤーなりアナログプレーヤーを接続しなければ音を聴くことはできない。
そして、これらのシステムを構成するオーディオ機器は、
ほとんどの場合、同一空間に設置される。
リスニングルームと呼ばれる空間に、スピーカーシステムが置かれ、
アンプ、プレーヤーが置かれる。
リスニングルームにはオーディオ機器だけが置かれることはない。
最低でも椅子があったり、アンプやプレーヤーを置くラックもある。
照明器具もある。
ようするにオーディオ機器のデザインは、そういう場でのデザインとして語るべきではないのか。
オーディオ機器のデザインについて語る時、
最低でもシステムを構成する他のオーディオ機器との関係性・関連性を無視するわけにはいかない。
というよりも重要なことではないかと考えている。
だが、最近の、一部のオーディオ機器のデザインを見ていると、
自分だけよければそれでいい、とでも考えているかのようなデザインのモノが目立つようになってきた。
しかも、それらは美しい、とはいえないモノばかりである。