オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その17)
そうなるとステレオサウンド 3号の下段の文章も参考にすることができる。
3号では瀬川先生はラックスのアンプのデザインについて書かれているのだろうか。
この時代のSQ38はSQ38Dであり、SQ301と共通のパネルデザインにはまだなっていない。
SQ301のところにはデザインについては触れられていない。
PL45のところに目的の文章はあった。
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パネルレイアウトを含めて、ウォールナットのケースを持った全体のイメージは、高級感を表現して仲々好ましい。デザインにどことなくマランツを下敷きにしたという印象は拭い去りにくいが、パネルのパターンやツマミ、レバースイッチなどにオリジナリティを盛り込もうとしている意図は十分に感じとれる。
このデザインは、細部を除いては、SQ301と全く共通のものだが、SQ77Tのところでも指摘したように最近のラックス独特の斜めカットはちょっと考えすぎで、かえって手ざわりがよくないし、スイッチポジションを表示するポインターとしての機能も、少々あいまいのように思われる。
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SQ77Tのデザインについては、どう書かれているのか。
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ツマミのレイアウトはSQ77を踏襲しているが、この配列には抵抗なく馴れることができて、人間工学的にたいへんよく考えられている。しかしツマミの形には問題がある。丸形ツマミの一部を斜めにカットしたユニークな形だが、この形ではポジションの指示があいまいで、つまんだ感じも指によく馴じむとはいいにくい。
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これらを読んでいると思い出す文章がある。
ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」シリーズの一冊目でラックス号にのっている、
瀬川先生の「私のラックス観」だ。