Date: 4月 29th, 2010
Cate: トーラス
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同軸型はトーラスなのか(その13)

NFBのかかった反転アンプを、グラフィック的にメビウスの環として捉えるのであれば、
同じくグラフィック的にとらえたときに、クライン・ボトルといえるフィードバックのかけかたは、
いったいどんなものだろうか、と考えてみる。

マッティ・オタラ博士が、1963年にTIM(Transient Intermodulation)歪を発見。
’68年からTIM歪の理論づけをはじめ、’70年までにほぼ終え、’72年にTIM歪の抽出法の論文発表。
’74年にTIM歪の測定法を発表し、翌年TIM理論を発表している。
’76年には、IIM(Interface Intermodulation)歪、
’79年にはPIM(Phase Intermodulation)歪を発見し、発表している。

これらの歪の違いは、TIM歪が、スピーカーを接続しない状態でのアンプ内部でのNFBに起因するもので、
IIM歪は、スピーカーをつないだ状態でTIM歪と同じ追求をしたもの。
PIM歪は、位相と振幅の直線性の不一致を問題にしているもの、とのことだ。

これらの歪を発見したマッティ・オタラ博士によると、最良のNFB量は、
回路構成や使用部品の違いによって多少は異るものの、
1970年の時点では22dB、’80年では12dB程度で、オタラ博士が設計したパワーアンプ、
ハーマンカードンのサイテーションXX(ダブルエックス)は、わずか9dBである。

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