あるスピーカーの述懐(その4)
マイクロフォンとスピーカーの動作原理は基本的に同じである。
だからスピーカーユニットをマイクロフォン代りに使うことはできないくはない。
いい音で収録できるかどうかは別として、マイクロフォンとして動作はする。
話は逸れるが、ジャーマン・フィジックスのDDD形ユニットの音を聴いていると、
DDD型マイクロフォンが登場しないのものか、と想像する。
DDD型マイクロフォンという言い方がまずければ、
ベンディングウェーヴ型マイクロフォンである。
ベンディングウェーヴ型のユニットとしては、ジャーマン・フィジックスと同じドイツのマンガーのBWTがある。
BWTの構造をそのままマイクロフォンとすることはできないのだろうか。
話を元に戻そう。
スピーカーとマイクロフォンの動作原理が同じだから、
スピーカーがリスニングルームにおける「耳があるもの」といいたいわけではない。
スピーカーは音を発するものだから、
目とか耳という意味では口にあたる。
だが、その口は勝手になにかを喋っているわけではない。
その口を喋らせているのは、その口からの音を聴いている聴き手ということになると、
スピーカーは口ではなく、「耳があるもの」と思う。