「いい音を身近に」(その6)
カメラの三脚のいいものになると、しっかりしたつくりで、当然三点支持なので、ガタつきなくセッティングできる。
高さをかえるのも簡単だし、スピーカーの振りも水平方向だけでなく垂直方向にも自在に変えられる。
だから、以前、瀬川先生が目の前でやってくださったように、
KEFの105の中高音域ユニットを調整することで、音のピントを見事に合わせられたことを、
他の小型スピーカーでもできるようになる。
導入を真剣に考えて、カタログを見ていた時期があったが、結局、試すことはなかった。
試聴室で、たとえば数時間という制限時間の中で、あれこれレコードをかけかえながら、
レコードに応じて(というよりも録音に応じて)、
スピーカーのセッティングをこまかく調整していくということは、けっこう楽しんでやれるものだ。
けれど、仕事を終えて自宅で聴くときには、さすがにそういうことをしたい気持には、なかなかならないものだ。
もちろんいじるときには集中して行なっても、一段落したら、あまり細かいところは、
そうしょっちゅういじりたいわけではない。