VOXATIV Ampeggio Signatureのこと(その4)
オーディオにも流行り廃れはある。
技術的なことでも、外観的なことでも、音を表現する言葉にも流行り廃れはある。
ずっと以前はよく使われていた音の表現でも、
ここ10年以上、あまり目にしなくなった言葉がある一方で、
以前はあまり使われてなかった表現が、いまでも誰もが当り前のように使うようにもなっている。
たとえば「音の粒立ち」。
昔(といっても私がオーディオに関心をもち始めたころ)は、よく目にした。
それが、いまではあまり目にしなくなっている。
それから「内声部」も以前ほどは目にしなくなっている。
以前は、クラシック、オーケストラや弦楽四重奏が試聴レコードとして使われた時には、
試聴記には、内声部についての表現があったものだ。
VOXATIV Ampeggio Signatureの音を最初に聴いていて、頭に浮んでいたのは、
これらの音の表現に関することだった。
つまり、これらの音の表現が実に良くなってくれる。
だからなのだろう、音が鳴り出した瞬間に、いい音だなぁ、と感じられる。
そして音楽に進むにつれて、最初の感想に疑いをもつどころか、
ますますそのおもいが確固たるものになっていく。