2013年ショウ雑感(アナログディスク再生・その6)
カンターテ・ドミノは、スウェーデンのマイナーレーベルといっていいプロプリウスを有名にした一枚である。
プロプリウスは1960年代末にスタート。カンターテ・ドミノは1976年の録音。
教会でのワンポイント録音、テープデッキはルボックスのA77だった、ときいている。
1979年にスウェーデンのレコード賞を得て、
ヨーロッパのAESのコンヴェンションやオーディオショウでデモンストレーションのレコードと使われることが増え、
注目されるようになっていく。
1981年秋に来日したJBLのジョン・アーグルも、
この時の新製品、4435、4430のセミナーにおいて、カンターテ・ドミノを使っていた、とのこと。
このころになると日本でも話題になっていて、
1982年にマークレビンソンやSAEの輸入元でもあったRFエンタープライゼスが輸入を行うようになった。
日本で広くカンターテ・ドミノが知られるようになり、売れるようになったのは、このころからだろう。
カンターテ・ドミノのディスクは持っていないという人はいるだろうが、
一度も聴いたことがない、という人は少ないように思う。
どこかで耳にしていることが、きっとあるはず。
これほど有名なディスクにも関わらず、
日本人には教会ときくと、石造りのイメージがあるためか、
カンターテ・ドミノの録音が行われた教会もまた石造りだと思っている人がいる。
すでに何度か書いているように、カンターテ・ドミノで使われた教会は石造りではない。
だからカンターテ・ドミノで聴くことができる残響・反響は木の響きをイメージさせるものでなくてはならない。
テクダスのAir Force Oneで鳴ったカンターテ・ドミノは、
木の教会の響きを、実に自然な感じで再現してくれた。