Date: 11月 5th, 2013
Cate: アナログディスク再生
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アナログディスクならではの音(その2)

スピーカーシステムとアナログプレーヤーは同一空間に置かれる。
このことがアナログディスクならではの音と深く関係しているのではないか。

少なくとも私は、音響的・振動的に完全に隔離された別々の部屋に、
それぞれスピーカーシステムとアナログプレーヤーを設置した音は聴いたことがない。
このときの音が、同一空間にスピーカーシステムとアナログプレーヤーを設置した音と共通する、
もしくは同じといえる音であるならば、このことは見当外れということになる。

少なくとも同一空間にスピーカーシステムとアナログプレーヤーがあった場合、
スピーカーシステムから空気を伝わってくる音という振動、
床や壁を伝わってくる振動が、アナログプレーヤーを揺さぶっている。

音が空気中を伝わる速度は約340m/secであるから、
スピーカーシステムとアナログプレーヤーとの距離が3.4mならば、
カートリッジが音溝をトレースして、その信号がスピーカーから出てから1/100秒後にはカートリッジを含めて、
アナログプレーヤー全体を揺さぶっている。

それとは別にスピーカーシステムが空気中に浮んでいないかぎり、
スピーカーユニットからの振動はエンクロージュアを伝わり、床を動かす。床からの振動は壁にも伝わる。
空気中を伝わる速度よりも、固体を伝わる速度のほうが速いから、
床を伝わってくる振動は音として伝わってくる振動よりも速くアナログプレーヤーを揺さぶっている。

これらは、いわゆる振動のフィードバックである。

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