Date: 3月 26th, 2010
Cate: ベートーヴェン
Tags:

ベートーヴェン(その1)

ベートーヴェンの音楽は、とくに交響曲で顕著であるが、いま鳴り響いている音が、
あとにつづく音を生み出している。

そう感じたのは、20代のなかばごろのことだった。
誰の演奏を聴いて、そう感じたのかはいまとなっては思い出せないけれど、
20代よりも30代、30代よりも40代になって、ますますベートーヴェンの音楽が好きになってきているいまも、
やはりそう感じている。

いま鳴っている音はひとつではない。だからそこから生み出される音も、ひとつではない。
それらの音が生み出されるときに、なにがしかの「熱」が生じているような気も、最近してきた。

そして、モーツァルトの曲の終りかたの見事さが、ベートーヴェンの曲にあまり感じられないのは、
ここに、その理由のひとつがあるのではないか。

いま鳴っている音が次の音を生み出し、その音が、また次になる音を生み出していく、
それらが有機的に絡んでいき、音の構築物をつくりあげる。

その連鎖は、どこかで打ち切れなければ、ベートーヴェンの才能があれば、
延々と続いていくのかもしれない、と、ふと想うときがある。

4 Comments

  1. ま~さんま~さん  
    3月 28th, 2010
    REPLY))

  2. ベートーヴェンの音楽について、全く同じことをバーンスタインが言ってます。ひとつの音に続いて、これ以外にはあり得ないという音が紡がれている・・・。

    1F

    ま〜さん さま
    コメント、ありがとうございます。
    バーンスタインの著作やインタビュー記事はまったく読んだことがないため、
    そういう発言をしているとは知りませんでした。同時にひじょうに興味がわいています。
    もしよろしければ、いつごろの発言なのか、何でお読みになったのか、お教えいただけないでしょうか。

    2F

  3. ま~さんま~さん  
    3月 29th, 2010
    REPLY))

  4. バーンスタインがテレビ、著作等で、盛んにクラシック音楽の啓蒙をしていた頃に書かれ、日本では音楽之友社から出版された「音楽のよろこび」の中にあったと記憶しています。それとも、インタビューの中で語られたことだったか、とにかくバーンスタインの発言であることは、断言できます。実は、私は最近になってようやく、ベートーヴエンの音楽の凄さが分かりかけてきました。魂の対話ができるような気がするのです。

    3F

    ま〜さん さま
    ありがとうございます。
    「音画のよろこび」、読んでみます。
    ベートーヴェンの音楽は、歳を重ねるごとに、ますます好きになってきますし、
    大切な音楽になってきています。

    4F

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]