ベートーヴェン(その1)
ベートーヴェンの音楽は、とくに交響曲で顕著であるが、いま鳴り響いている音が、
あとにつづく音を生み出している。
そう感じたのは、20代のなかばごろのことだった。
誰の演奏を聴いて、そう感じたのかはいまとなっては思い出せないけれど、
20代よりも30代、30代よりも40代になって、ますますベートーヴェンの音楽が好きになってきているいまも、
やはりそう感じている。
いま鳴っている音はひとつではない。だからそこから生み出される音も、ひとつではない。
それらの音が生み出されるときに、なにがしかの「熱」が生じているような気も、最近してきた。
そして、モーツァルトの曲の終りかたの見事さが、ベートーヴェンの曲にあまり感じられないのは、
ここに、その理由のひとつがあるのではないか。
いま鳴っている音が次の音を生み出し、その音が、また次になる音を生み出していく、
それらが有機的に絡んでいき、音の構築物をつくりあげる。
その連鎖は、どこかで打ち切れなければ、ベートーヴェンの才能があれば、
延々と続いていくのかもしれない、と、ふと想うときがある。
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ベートーヴェンの音楽について、全く同じことをバーンスタインが言ってます。ひとつの音に続いて、これ以外にはあり得ないという音が紡がれている・・・。
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ま〜さん さま
コメント、ありがとうございます。
バーンスタインの著作やインタビュー記事はまったく読んだことがないため、
そういう発言をしているとは知りませんでした。同時にひじょうに興味がわいています。
もしよろしければ、いつごろの発言なのか、何でお読みになったのか、お教えいただけないでしょうか。
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バーンスタインがテレビ、著作等で、盛んにクラシック音楽の啓蒙をしていた頃に書かれ、日本では音楽之友社から出版された「音楽のよろこび」の中にあったと記憶しています。それとも、インタビューの中で語られたことだったか、とにかくバーンスタインの発言であることは、断言できます。実は、私は最近になってようやく、ベートーヴエンの音楽の凄さが分かりかけてきました。魂の対話ができるような気がするのです。
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ま〜さん さま
ありがとうございます。
「音画のよろこび」、読んでみます。
ベートーヴェンの音楽は、歳を重ねるごとに、ますます好きになってきますし、
大切な音楽になってきています。