素朴な音、素朴な組合せ(その7)
2S305の陰にかくれてしまっているのか、2S208を見る(聴く)機会は、ほとんどないようだ。
私も、2S208はカタログで知っているだけで、ある。
値段で判断するものではないが、参考までに書いておくと、
2S305搭載のPW125は40,000円、TW25は28,000円。
2S208搭載のPW201は12,000円、TW501は7,000円(1974年当時の価格)。
2S305は200,000円、2S208は120,000円(どちらも1本の価格)と、
ユニットの価格差ほどシステムとしての価格差は開いていないが、
これだけ違うと、2S305と2S208のクォリティはかなり異るものだろう。
こんなことを思っても仕方のないことだが、2S208と同じように、
コンデンサーだけの-6dB/oct. 減衰特性のネットワーク仕様の2S305があったら、
どんな音がしたのだろうか、ぜひ聴いてみたい、という気持が沸いてくる。
もしも、いま状態のいい2S305と2S208があったならば、どちらが素朴な音を聴かせてくれるのだろうか。
そして、-6dB/oct.仕様の2S305なるものがあったとしたら、
通常仕様の2S305よりも、もうすこし素朴な音を聴かせてくれるのだろうか……。
2S305も2S208も、使用ユニットはショートボイスコイルである。
振動板は紙のコーン型。新素材を使っているわけではなく、これといった特徴はそう多くはない。
技術的特徴の面白みは少ない。
だからといって、いま風の、意を凝らしたスピーカーシステムとくらべて、
ツマラナイとするのは、どうだろうか。
たしかに意を凝らしたスピーカーシステムではない、が、意を尽くしたスピーカーシステムではある。
REPLY))
機種選択お迷いのようで経験をご連絡させていただきます。P-610,2S208,2S305と同じような傾向の「音」です。当時、酔っ払って帰宅して聴いていた時305を聴いていたつもりが、隣の610が鳴っていたという経験をしております。幸いにして古い家でもあったため、3機種とも所有しておりました。610→208→305と機種により上下の帯域が拡大して行きます。
表題「素朴な音」となっておりますがそうとは思いません。所有のシステムを始めとし、録音のプロセス迄、何でもかんでも良く(駄耳ですが)聴こえ、あくまで入力に忠実です。この為本領を発揮させるには山の高さ(住環境を含め)を感じます。
最近のスピーカーと比較するとスピード感は抜群で、能率が良いため小規模のアンプで十分に楽しめそうです。小生は転勤から解放され、35年間納屋でお休みの305の目覚まし中です。