Date: 9月 29th, 2013
Cate: 原器
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オーディオ「原器」考(その1)

オーディオの原器とは、いったいなんになるのか、どういうものか。
簡単にいってしまえば蓄音器ということになるわけだが、
現代の、ここまで複雑に進歩した、といえるオーディオの原器として、
いま蓄音器──ここでいう蓄音器とは電気を必要としないアクースティック蓄音器のこと──をあげるのが、
果して適当なことなのだろうか、という考えがあるだけでなく、
こういう大きな括りとしての「原器」ではなく、
ここまで細分化してきたオーディオ機器の、それぞれの原器、
つまりアナログプレーヤーの原器、
このアナログプレーヤーに関しても、
カートリッジの原器、トーンアームの原器、ターンテーブルの原器というふうに見ていける。

原器とは辞書には、測定の標準器としての意味がある。
この意味での「原器」ではなく、もうひとつの、
同種類のモノの標準として作られた基本的な器としての、オーディオ機器の原器とは何か。

これまでに多くのオーディオ機器が登場してきた。
さまざまな技術的特徴をもつオーディオ機器があった。
消えていった技術、主流とはなれなかった技術もある。
いまも存在している技術もある。

過去の、こういった技術を知っているのか知らないのか、それは不明だけれど、
いまそういう技術と同じようなことをやっているオーディオ機器もある。
とにかく、実にさまざま(玉石混淆)である。

メーカー側がそうであるのと同じに、ユーザー側(オーディオ・ジャーナリズムもここに含む)も、
そういう技術について知っているの知らないのか、それは不明なのだが、
ある一定の評価をする人がいることも事実である。

視点の違いにより評価は変ってくるものだし、
また、その評価が正しいとか間違っているとかではなく、
いまオーディオ機器の評価は難しくなってきているし、微妙な面が色濃くなりつつある。

だからこそ、「原器」について考えてみる必要があるのではないか。

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