「オーディオABC」と「カタログに強くなろう」(その2)
瀬川先生の著書「オーディオABC」の上巻は1977年に共同通信社から出ている。
この本の、岡先生に書評がステレオサウンド 43号に載った。
(下巻の書評は46号に載っている。こちらも岡先生)
43号は、私にとって3号目のステレオサウンド。
オーディオに興味をもちはじめて、基礎的・基本的なことを吸収し始めたばかりのころにあたる。
岡先生はこう書かれていた。
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オーディオ・ブームといわれる現象がおこる以前からオーディオ入門書といった類の本はいくつかあり、最近はブームを反映してますますその種の出版物が賑わっている。瀬川さんの新著も「オーディオABC」というタイトルから、そういう類の本だろう、とおもわれてしまうにちがいないが、内容はさにあらずだ。むしろ「オーディオXYZ」と題した方がよかった。つまり音楽再生のためのオーディオのゆきつかなければならぬところを想定して、それがオーディオ機器のハード的なふるまいとどんな風にむすびついているのかというアプローチがこの本の根本的なテーマになっている。こういう書き方というものはやさしいようで実は一ばんむずかしいのである。
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この書評を読んで、「オーディオABC」は買わなければならない本、
しっかりと読まなければならない本だとおもい、手に入れた。
運が良かった、とおもう。
オーディオの、ごくはじめの段階で、「オーディオABC」という本があった。
オーディオにはいったきっかけとして、まわりにオーディオをやっていた人がいたから、
ということを挙げる人は少なくない。
そういう場合、まわりの人が、いわば師匠となることが多い(らしい)。
らしい、と書いたのは、私にはまわりにそういう人がいなかった。
だから、本だけが頼りだった。質の高い本だけを頼りにしていた。