4343における52μFの存在(その17)
4350を構成するスピーカーユニットの中で、もっとも強力で、能率が高いのは、
トゥイーターの2405ではなく、ミッドハイを受け持つ2440ドライバーである。
この2440とミッドバスの30cm口径ウーファーの2202のあいだには、
前述したように連続可変のレベルコントロールが存在しない。
このふたつのユニットが4350の中核をなしていると考えてもいいように思う。
つい4350をみると、2231Aのダブルウーファーに目が行ってしまいがちだが、
真に注目すべきは、真中のふたつのユニットのはずだ。
2440と2202のペアが受け持つ帯域は、カタログ発表値では250Hzから9kHz。5オクターブにわたっている。
じつは、4350のネットワーク3107の回路図をみれば、さらに広いことがわかる。
2202には、1.8mHのコイルが直列、20μFのコンデンサーが並列にはいっている。
12dBの遮断特性のハイカットフィルターだ。
2440には、8μFのコンデンサーが直列、1.8mHのコイルが並列、
そのあとにT型の固定アッテネーターが入っている。
これだけである。つまり12dBの遮断特性のローカットフィルターがあるだけで、
とうぜんあるべきはずのハイカットフィルターが、ない。