サイズ考(その65・続補足)
まずパワーアンプのどこに電源トランスが配置されているかによっても、
ネットワークへの影響は変化する。
パワーアンプとネットワークを接近させるということは、
パワーアンプのリアパネル側にネットワークを置くのが通常である。
この場合、フロントパネル側に電源トランスが配置されているアンプであれば、
リアパネル側にあるものよりは影響は少ないし、
電源トランスのコアの形状によって漏洩磁束は大きく変化する。
それにコアの磁束密度が、どの程度かにもよるし、磁気シールドを施してあるかどうかによっても異ってくる。
パワーアンプに接近させることで、その影響下にはいることは事実だが、
必ずしも大きな影響を受けるとは限らないのも、また事実だ。
それからコメントにあるように、エンクロージュア内部の振動と、外部に取り出したときとでは、
振動の影響の受けかたは、ずいぶん違ってくる。
あとエンクロージュア内部では、スピーカーユニットの磁気回路が外磁型で、防磁対策を施してなければ、
その漏洩磁束の影響下にあるわけだ。しかもネットワークを使うスピーカーシステムは、
マルチウェイであるから、スピーカーユニットの数はひとつではない。
もっともスピーカーユニットからの磁束と、パワーアンプの電源トランスからの磁束とでは、性質が違うから、
音への影響は同じわけではないことも事実である。
アース線を徹底的に分離した場合、エンクロージュア内部に収めたほうがいいのか、
取り出してパワーアンプの近くに置いたほうがいいのかは、
やや無責任な言い方になってしまうが、諸々の状況によって変化するため、
実際に音を聴いて判断するしかない。
どこに置こうと、どこに納めようと、
なにがしかの影響下に入ることは避けられない、ということを忘れないでほしい。
とはいうものの、私はパワーアンプの近くに置くほうをとるけれど。
REPLY))
>アース線を徹底的に分離した場合、エンクロージュア内部に収めたほうがいいのか、
取り出してパワーアンプの近くに置いたほうがいいのかは、
やや無責任な言い方になってしまうが、諸々の状況によって変化するため、
実際に音を聴いて判断するしかない。
宮崎さん、それは無責任ではないですよ。
どんな手法にも、メリット、デメリトがありますし、
その比重は、コスト制限があれば基準が変わるし、
なにより聴き手の経験値で価値基準が違いますから。
ただ、
初心者は音が変わったのはとりあえずわかったけど、
その意味が判断出来ない場合が多いのですね。
それと、オーディオは一箇所「改良」すると、
他の箇所の欠点が浮かび上がってくることが、
とても多いですよね。
自分が行った改良の意味を知らないと、
「あのやり方はダメだった」と思い込む人が出てきます。
一箇所変えて、自分の求める音になった・・なんてことは、
まずありえないのに、(無意識に)多くの期待をしている人がかなりいます。
解像度とか、透明感重視で、
ハーモニーが崩れているというか、
ハモっていないオーディオが、多すぎます。
REPLY))
おっしゃるとおりハーモニーの要素が、ほとんど、というか、なにかは全く感じとれないオーディオ、
とくにスピーカーシステムが増えていると、私も思っています。
なぜなのかについては、私なりに、いまのところの答えは、
別項の”オーディオ評論家の「役目」、そして「役割」”のなかで書く予定です。