終のスピーカー(続・余談)
今日電話をくれた彼は、録音関係の仕事をやっている。
そのことが関係して、業務用機器の最新情報を教えてくれた。
いくつか、知らないメーカーの、興味深い機器の情報があった。
ここに書くのは、それら業務用機器のことではなく、
あるスピーカーメーカーのことである。
キリマンジャロオーディオというメーカーがあるのを教えてくれた。
励磁(フィールド)型のスピーカーを作っている。
それも往年の銘器といわれているスピーカーユニットの励磁型を製造している。
A604というユニットがある。
型番からすぐにわかるようにアルテックの604の励磁型であり、
それも振動板はアルテックの工場設備を受け継いだGAP(Great Plains Audio)から供給を受けている、とのこと。
この手もモノは実際に音を聴くまではなんともいえないのだが、
それでも世界には興味をそそるメーカーがいつの時代も誕生してくる。
20代の私だったら、励磁型ということで、聴きたいという気持は何倍にもなった。
そんな私も50になると、変っていくところに気づかされる。
励磁型の磁気回路をもつスピーカーユニットには、当然のことだが外部電源が付属してくる。
この電源がどういう電源なのかによって音が変化することをすでに知っている。
タンガーバルブによる電源の音も聴いている。
一般的といってよい定電圧電源の音も聴いている。
励磁型の電源として、どういうものが望まれるのかもすべてとはいわないまでも、
ある程度はわかってきている。
そうなると、どうしても電源をいじりたくなる。
電源が内蔵されていて、手を加えるのが困難、面倒臭いのであれば、
純正の電源のまま聴いていこう,と思うのだが、
励磁型ユニットはすべて外部電源であり、
さもいじってくれ、とこちらを誘っているようにおもえてしまう。
20代の私だって、よし、いじってみよう! となる。
でも、いまは、内部を見て,ここをこうしたら、とか思っても、
面倒だな……という気持があることに気づく。
こんなふうに受けとってしまうのは、私がどうしようもないくらいにオーディオマニアだからであって、
多くの人は自分で電源をいじろうとは考えないであろう。
考えない人のほうが、励磁型のユニットを使っていく上ではしあわせかもしれない。
その意味で私にとってはパーマネントマグネットのほうが向いているように、
最近は思うようになっていて、そのことを今日も思い出していたわけだ。