Date: 6月 18th, 2013
Cate: トランス
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トランスからみるオーディオ(その2)

タンゴ(Tango)の名のつくトランスがなくなるのは、
ほぼ間違いなくトランスをつくる職人の高齢化と、
若い職人がいないことによるものであろう。

6月5日に四谷三丁目の喫茶茶会記で行った「岩崎千明と瀬川冬樹がいた時代」において、
元パイオニアの片桐さんが話されたことがあった。

「昔、オーディオの御三家はサンスイ、トリオ、パイオニアといわれていて、実は順番もそうだった。
理由はサンスイは古くからトランスを作ってきていたし、トリオもコイルを作ってきていた。
パイオニアはスピーカーは作ってきていたけど……」

トランスを作ってきていたから、御三家の中で一番──、
このことに頷かれる人もいれば、そうでない人もいる。
私は頷くほうである。

トランスを作ってきたことより、アンプやスピーカーの優れたモノを作れれば、
それでいいのではないか、そちらの方が重要ではないのか。

たしかにそうではある。
けれどトランス、コイルの優れたモノを作るのに必要な基本的な技術は、
巻線の技術であることを思い出してほしい。

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