Archive for 6月, 2022

Date: 6月 2nd, 2022
Cate: 4343, JBL, ジャーナリズム

40年目の4343(オーディオの殿堂・その1)

その8)を書いたのは、2015年2月。
ひさしぶりに書こうと思ったのは、今日がステレオサウンド 223号の発売日だからだ。

223号の特集は、「オーディオの殿堂」。
今日は一歩も外出していないので、
「オーディオの殿堂」で、どんなモデルが選ばれているのかはまったく知らないが、
それでもJBLの4343は、きっと殿堂入りしているはずだ。

4343に関しては、殿堂入りしているかどうかではなく、
4343について、誰が担当しているのかに興味がある。

私がステレオサウンドの編集者だったら、
黛 健司氏に依頼する。

間違っても三浦孝仁氏には依頼しない。

十数年前のステレオサウンドに、「名作4343を現代に甦らせる」という連載があった。
佐伯多門氏が担当された記事である。
別項で触れているから、ここでこの記事について、どう思ったのかはくり返さないが、
「名作4343を現代に甦らせる」の最後、
無様になってしまった4343の試聴記を担当したのが、三浦孝仁氏であるからだ。

この人は、4343というスピーカーシステムをまったく理解していない──、
私はそう感じた。いまもそう思っているからだ。

Date: 6月 2nd, 2022
Cate: 朦朧体

ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その74)

オーディオに興味をもち、スピーカーの原理を知ったばかりのころ、
いまから四十数年前のことになるが、
正直なところ、振動板のピストニックモーション(前後運動)だけで、
音楽が再現できるとは、すぐには信じられなかった、というか理解もできていなかった。

たとえば1kHzのサインウェーヴであれば、
確かにピストニックモーションでも再生(再現)できるのはすぐに理解できる。
サインウェーヴが二波になったら、どうなるのか。

たとえば1kHzと100Hzである。
再生するスピーカーシステムが2ウェイで、
100Hzはウーファーが受け持ち、1kHzはトゥイーターが受け持つというのならば、
これも理解できる。

けれどフルレンジだったら、どうなるのか。
もちろん理屈としてはわかっていても、直観的に理解できていたわけではなかった。

ましてスピーカーから聴く(鳴らす)のは、音楽である。
一つの楽器のこともあれば、複数の楽器の音が、そこ(スピーカー)から鳴ってくる。

それをスピーカーは、基本的には振動板の前後運動だけで再現しようとしている。
しかもスピーカーの振動板は紙や絹であったり、アルミニュウムやチタンだったりする。

楽器に使われている素材とはそうとうに違う素材が使われていて、
しかも一つのユニットから、複数の楽器の音が出てくる。

なのに、それらの楽器の音が聴きわけられる。
理屈としてはわかっていても、考えれば考えるほど不思議な感じは、
いまも残っている。

と同時に考えるのは、アクースティックの蓄音器のことである。
ここにはピストニックモーションは、一つもないからだ。

Date: 6月 1st, 2022
Cate: 電源

ACアダプターという電源(GaN採用のアダプター・その3)

バッテリーは化学反応によって電気を起している。
それが直流であるから、連続した化学反応が起っていると捉えがちだが、
ほんとうにバッテリー内での化学反応は、一つの化学反応が連続しているのだろうか。

実際のところは、無数に近い一瞬一瞬の化学反応が起っているために、
一つの連続した長い時間の化学反応と捉えているだけではないのだろうか。

電子の移動によって電気が起るのだから、
電子の数だけの化学反応が起っていると捉えれば、
スイッチング電源の動作周波数が高くなっていくほどに、
バッテリー内の化学反応の状態に近くなっていくのではないだろうか。

実際のところ、動作周波数がどれだけ高くなれば、そういえるのかはよくわかっていない。
少なくとも20kHzとか50kHzではないだろう。
もっと高い周波数、私はなんの根拠もなしに1MHzあたりを超えたあたりから、
そういえるようになるのではないか──、
そんなふうにスイッチング電源について、ある程度の知識を得たころから、
そう考えるようになっていた。

GaN採用のACアダプター(スイッチング電源)は、1MHzくらいの動作周波数のようだ。
もっと動作周波数は高くなっていくのかもしれない。
2MHz、5MHz、そして10MHzとなっていったとしよう。

どこかにさらに大きく音が変るポイントがあるような気がする。

GaN採用のACアダプターが、理想の電源というつもりはないが、
かなり可能性を感じているし、
リニア電源が必ずしもスイッチング電源よりも優れているとも考えていない。

優れたリニア電源もあるし、優れたスイッチング電源もある。
これからスイッチング電源は、さらに優れたモノが出てくる可能性がある。