Archive for 12月, 2021

Date: 12月 2nd, 2021
Cate: 老い

老いとオーディオ(オーディオの終らせ方)

ラジオ技術 2021年2月号と3月号に、
「これからオーディオを始める方へ筆者からのメッセージ」が載っていたことは、
別項「オーディオ入門・考」でも書いている。

世の中、始めたものはいつか終る。
終るのか終らせるのか。

ラジオ技術 12号の編集後記に、
「これからオーディオを始める方へ筆者からのメッセージ」の続編というか、
関係しての記事として、オーディオの終らせ方という企画を考えている、とあった。

終らせることが必要なのかどうかも含めて、
おもしろいテーマになると期待している。

Date: 12月 2nd, 2021
Cate: スピーカーの述懐

あるスピーカーの述懐(その19)

ここで、しつこいぐらいに、伊藤先生の言葉──、
《スピーカーを選ぶなどとは思い上りでした。良否は別として実はスピーカーの方が選ぶ人を試していたのです。》
を引用しておく。

自作スピーカーで聴いて、
バーンスタインのマーラーを聴いて、ひどい録音だ、と言った人を知るまでは、
私は伊藤先生の言葉を、
《スピーカーを選ぶなどとは思い上りでした。実はスピーカーの方が選ぶ人を試していたのです。》
というふうに受け止めていた。

《良否は別として》のところを抜きにして、受け止めていた。
もっといえば、いいスピーカーは選ぶ人を試していた、という認識であった。

それがバーンスタインのマーラーをひどい録音だ、という人と会って、
確かに伊藤先生のいわれるとおりだ、と再認識したわけだ。

《良否は別として》、ここのところの意味を初めて実感できた。
ダメなスピーカーも、また選ぶ人を試していることを知ったわけだ。

別項で「598というスピーカーの存在」を書いている。
このテーマを書こうと思ったことの一つに、
伊藤先生の言葉がベースにあり、
バーンスタインのマーラーの録音を一刀両断で、
ひどい、と切り捨てた人の存在がある。

自分が試されている、とは微塵も感じない人がいる。

Date: 12月 1st, 2021
Cate: マッスルオーディオ

muscle audio Boot Camp(その19)

パワーアンプの出力インピーダンスは動的に変化している──、
そういう予測を私は持っている。

実際に測定してみたわけではないし、
どうすれば動的な出力インピーダンスを測定できるのかもよくわかっていない。

静的な出力インピータンスの測定方法はもちろん知っているが、
同じ方法で動的な出力インピーダンスが測定できるわけではない。
もしかすると動的な出力インピーダンスの測定は無理なのかもしれない。

となればシミュレーターの登場なのだろうか。

とにかく私はアンプの出力インピーダンスは動的に変動していると確信している。
それに静的な出力インピーダンスも、以前から書いているように周波数特性をもつ。
基本的にNFBをかけたアンプの場合、
NFBをかける前の周波数特性と同じカーヴになる。

ということは動的な出力インピータンスは周波数特性的にも変動しているわけで、
中高域にかけての変動率は、低域(つまり十分なNFB量がかかっている帯域)よりも、
大きくなっている可能性もある。

(その14)から(その18)まで、動的な出力インピーダンスのことを書いてきた。
ソリッドステートアンプの場合について書いてきている。

では真空管アンプの場合はどうなのだろうか。

Date: 12月 1st, 2021
Cate: 五味康祐, 瀬川冬樹

カラヤンと4343と日本人(その13)

JBLの4343がステレオサウンドに登場したのは41号である。
41号の表紙に、そして新製品紹介の記事と特集でとりあげられている。

41号は1976年12月に発売されている。

このころのカラヤンの演奏は精妙主義だった。
録音に関しても、そういっていいだろう。

そのカラヤンも1980年代中ごろから変っていく。
ベートーヴェン全集の録音のころから、はっきりと変っていった、と感じている。

私の場合、五味先生の影響が強すぎて、
アンチ・カラヤンとまではいかないものの、熱心なカラヤンの聴き手とはいえない。
ベートーヴェンの全集にしても、すべての録音を比較しながら聴いているわけでもない。

これは聴いてみたい、とそう感じたカラヤンの録音だけを聴いてきているにすぎない。
つまり体系的に聴いている聴き手ではない。

いいわけがましいことを書いているのはわかっている。
1980年代のベートーヴェンよりも前に、
カラヤンは精妙主義から脱していた演奏があったのかもしれないが、
私が聴いて、カラヤンが精妙主義から吹っ切れたところで演奏していると感じたのは、
ベートーヴェンだった。

その後のブラームスにもそう感じた。

カラヤンの精妙主義の最後の録音といえるのが、ワーグナーのパルジファルだと思うし、
このパルジファルが、精妙主義からふっきれた演奏のスタートのようにも感じる。

何がいいたいのかというと、
精妙主義を吹っ切ったところのカラヤンの演奏を、
五味先生、瀬川先生は聴かれていないということと、
カラヤンの精妙主義全盛時代に4343は登場しているということ、
そしてマークレビンソンの登場について、である。

Date: 12月 1st, 2021
Cate: 夢物語

真夏の夜の戯言(その4)

さきほどメールをチェックしたら、
mora qualitas お知らせ」というタイトルのメールが届いていた。

2022年3月29日23時59分で、mora qualitasサービス終了である。
2019年10月にサービス開始だったから三年もたずに徹底である。

悲しい……、という声もあろうが、私はむしろ喜んでいる。
2022年4月からTIDALの日本でのサービス開始か、と勝手に妄想して喜んでいる。

今年の夏以降、ソニー音源のMQAがTIDALで聴けるようになった。
かなりのタイトルがMQA Studioで聴ける。

クラシック、ジャズ、洋楽だけではなく、J-Pop、歌謡曲もTIDALでMQA Studioで聴ける。
しかも8月にはTIDALのウェブサイトに日本語ページが登場した。

あいかわらず日本からの登録はいまのところできないが、
日本でのサービス開始が近づいていることだけは確かだ、と思っている。

いつ始まっても不思議ではない。
いつになるのか。
12月からなのか、来年早々なのか。
そんなことを期待していたところに、mora qualitasサービス終了である。

mora qualitasはTIDALとかぶってしまう。
ソニーがTIDALの日本でのサービス開始に関るとなると、
mora qualitasの扱いをどうするのか。

サービス終了しかない。