Archive for 2月, 2017

Date: 2月 3rd, 2017
Cate: きく

音を聴くということ(体調不良になって・その1)

2月1日はaudio wednesdayは、できれば延期したかった。
明らかに体調不良で、外にでかけたくないほどだった。

とはいえ当日に延期にするわけにもいかない。
それでも始まると、カラ元気が湧いてくるもので、なんとかなった。
でも電車に乗って帰宅するときには、かなり弱っていた。
日付が変るころ最寄りの駅に着き、改札を出て、あまりの寒さにびっくりしていた。

気温は特別に低いわけではなく、
こちらの体調不良のため、いつも以上に寒さを感じていた。
足早に帰り、体をまず暖めた。
眠りについたのは2月2日の1時前である。

起きたのは11時ごろであった。
運良く用事もなかったので、一歩も外に出ずに済んだ。

ここまで体調不良だと、目を閉じて横になるといくらでも眠れる。
14時くらいにはまた横になって眠っていた。
そのままずっと眠っていたかったけれど、
ブログを書くためだけに夕方起きた。

それから入浴を済ませ、21時くらいにはまた横になった。
2月3日の起床時間は6時だから、29時間のあいだ、起きていた時間は七時間程度だった。
ほとんど活動休止状態の一日だった。

この間、摂ったのは水分とみかんだけである。
不思議と空腹感はなかった。

もともと人よりも量は食べる方である。
十数年前までは、夕食にはご飯を三合焚いて食べていた。
いまでは減らして二合にしている。

ここまでの体調不良になっても食べようと思えば、ごくふつうに食べられる。
食べたいという気持もあったけれど、食べなくてもいいという気持もある。

結局食べないという選択をした。
こういうことは過去にも何度かある。
食べない方が、あきらかに恢復が早い。

今回、特に感じたのは、感覚に騙されているのではないか、ということだった。
生命維持に直接関係してくる食においても、騙されているというか、
感覚を正しく認識していない、とでもいおうか、
そんなことを考えていた。

ましてスピーカーから鳴ってくる音に対しての感覚。
感覚は騙そうとはしていないのかもしれないが、
何かが感覚を素直に受け取られないようにしている。
そんな気がしていた体調不良の一日だった。

Date: 2月 2nd, 2017
Cate: アナログディスク再生

アナログディスク再生・序夜(その2)

ふたつのスタビライザーを用意して、聴ける音は三つ、と考えがちだ。
スタビライザーを使わない音、
トーレンスのスタビライザーにした音、山本音響のスタビライザーにした音。

けれどスタビライザーがひとつでも、基本的に三つの音を聴くことができる。
だからふたつのスタビライザーがあれば、七つの音が聴ける。

このスタビライザーの、少し意外な使い方による音の変化は大きい。
スタビライザーをレコードのレーベルに乗せるのは、個人的にはあまり好まない。
使う時もあれば、使わない時もある。

スタビライザーの使用によって、音が良くなると考えるよりも、
トーンコントロールみたいなものと思って使っている。
使うスタビライザーの性質をわかっていれば、乗せたり外したりは、すぐに判断がつくようになる。

このスタビライザーによる七つの音は、最後にもう一度行った。
スタビライザーの少し意外な使い方は、私が担当した井上先生の記事で書いている。
記事を憶えている方ならば、すぐにわかるはずだ。

松田聖子のLPをくり返し聴いていたときに、
参加された方の聴いているポイントは少しずつ違っていた、と感じた。

私はというと、Kさんが松田聖子のディスクを持参されることもあって、
ここ数年聴く機会が増えた。

松田聖子のデビューは1980年だから、まだ実家暮しで、
テレビから流れてくる松田聖子の歌を聴くくらいだった。
松田聖子のディスクを買ったことはなく、
1980年ころのテレビでの松田聖子によって、イメージができ上がっていた。

アイドル歌手としての松田聖子だった。
でも松田聖子のCDなりLPを聴く機会があって、感じたのは松田聖子はプロの歌手だということ。
だから松田聖子の声質よりも、松田聖子の歌の表現力がどれだけ拡がるかを、まず聴いている。

Date: 2月 2nd, 2017
Cate: アナログディスク再生

アナログディスク再生・序夜(その1)

アナログディスク再生といっても、
セッティングはいつものと基本的には同じ。

いつもCDプレーヤーを置いている位置にアナログプレーヤーを置いた。
スピーカーのセッティングは、実は毎回少しずつ変えている。
視覚的にもわずかな変化だから、毎回来られている方も気づいていないかもしれない。

アナログディスク再生・序夜のアナログプレーヤーは、
何度も書いているようにガラードの401に、オルトフォンのSPUとRMG309の組合せ。
昇圧トランスはオルトフォンのST5である。

この他に常連のKさんがシェルターの昇圧トランスと、
トーレンスと山本音響のスタビライザー、それから是枝重治氏のフォノイコライザーアンプを持参された。

是枝重治氏のアンプは、デンオンのDL103様の昇圧トランス(初期型)を内蔵したもので、
真空管ではなくOPアンプ構成の小型のモノである。
これらを使い、約四時間、あれこれやっていた。

最初に、おおまかなセッティングの調整。
最初に来られたKさん持参のLP(松田聖子)に固定した。
一時間以上、松田聖子の一曲をくり返し聴いていた。

音は確実に変化していくので、楽しいと思う人もいれば、
少なくとも10回以上、20回近く、同じ曲の同じところをくり返し聴かされることにうんざりされたかもしれない。

松田聖子のLPを使ったセッティングは、19時の開始前にやっておく手もあった。
でも、どういうことでアナログディスク再生は音が変化するのかを体験してもらいたかったのと、
私自身、ひどく体調不良で、そこまでの余裕がなかった、ということもある。

松田聖子のLPで、昇圧トランスはシェルターにした。
接続ケーブルもKさん持参のモノにした。トランスの置き方もいくつか試した。

松田聖子のLPで決めたことのひとつは、スタビライザーの使い方である。
トーレンスと山本音響の、ふたつのスタビライザーを聴いた。

スタビライザーを使わない音から始まり、七つの音を聴いた。

Date: 2月 1st, 2017
Cate: オーディオの科学

オーディオにとって真の科学とは(その4)

その3)でも書いたスピーカーケーブルの長さの極端な違いによる、
スピーカーからの音圧の低下。
これは物理現象としても数値として確認できる。

つまりは音は変っているわけである。
しかもはっきりと。
聴感上だけでなく、数値上も変っている。

にも関わらず、ケーブルで音が変らないと頑なに主張する人は、
音圧低下分だけボリュウムを上げれば同じになる、という。
つまり音圧レベルの変化は、音の変化ではないということらしい。
すごい理屈だと思う。
そんな程度の人が「オーディオは科学だ」といい、
ケーブルで音が変るなんて、オカルトだ、といっているのである。

ボリュウムを上げれば同じ、という人の考えは科学とはいえない。
絶対的に科学とはいえない。
観測条件を意図的に変えているわけだから。

こういうことを何の疑問もなしにやってしまう人は、
いったい何なのだろうか。
オーディオマニアとはいえないし、オーディオを科学と捉えているともいえない。

本人がいくら「オーディオを科学として捉えている」といったところで、
自らの言動が、そうでないことを誰の目にもはっきりと表している。
本人は、なぜそのことに気づかないのか。

二本のケーブルの音を比較するにあたって、
ケーブルの品種の違い以外のすべてを、どれだけ条件を同じにできるか。
これは想像以上に難しいことであり、微妙な音の差を聴き分けようという場合には、
さらに難しさは増すにも関わらず、
ブラインドフォールドテストによる結果のみがオーディオの真実だ、といっている人の多くには、
理解されていないようである。

ブラインドフォールドテストを無意味とは考えていない。
けれど本当の意味でのブラインドフォールドテストを行うには、
ケーブルで音は変らない、としか聴こえない耳、
そして音圧低下分はボリュウムを上げればいい、と考えてしまう知性では、
はっきりと無理である。