Archive for category 新製品

Date: 2月 2nd, 2014
Cate: 新製品

新製品(その3)

JBLのHarknessに、トーレンスのTD224、
それからJBLの2441+2397、
他にもずいぶん以前のオーディオ機器が手元にあり、それで音楽を聴いている。

このブログでは、JBLの4343、マークレビンソンのLNP2について、何度も書いている。
これからも書いていくであろう。

だからといって、ヴィンテージ機器、ヴィンテージ・オーディオとか、
最近でそう呼ばれるようになった、そういう時代のオーディオ機器だけが好きなわけではない。

新しいオーディオ機器が好きだし、むしろ、古いオーディオ機器よりも好きなところがある。
それにHarknessにしろ、TD224にしろ、
これらのモノが登場したときには、新製品であった。

いまでは古くなってしまったオーディオ機器であっても、
新製品だった時が、かならずあった。

この項のタイトルは「新製品」にした。
新製品を紹介するためのタイトルではなく、
「新製品」とは、について書いていくためのタイトルである。

Date: 2月 1st, 2014
Cate: 新製品

新製品(その2)

ステレオサウンド 56号の「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」の扉をめくると、
そこにはトーレンスのリファレンスがあらわれる。

トーレンス
リファレンス
¥3,580,000

これらの文字が続いて目に入り、

超マニア用「トーレンス・リファレンス」はたいへんな製品だ。すごい可能性、すごい音質、そしてその偉容

という見出しがあり、そこには瀬川冬樹の文字もあった。

このリファレンスの記事は8ページあった。

このリファレンスの記事だけでも、それまでの新製品紹介のページと、
56号からの「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」が大きく違っていて、
「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」が「あたらしいページ」であることを実感できた。

リファレンスについての瀬川先生の文章もいい。

リファレンスという、
当時のアナログプレーヤーの多くとは決定的に異る偉容をもつプレーヤーにふさわしい。

55号までのスタイルでの新製品紹介であっても、
リファレンスのすごさは伝わってきたであろうが、
ここは瀬川先生以外誰がいたであろうか。

そして56号から新製品紹介のページを大きく変えたのは、
リファレンスが登場してきたからではないのか──、そんなことさえ思ってしまう。

Date: 1月 31st, 2014
Cate: 新製品

新製品(その1)

ステレオサウンドの新製品の紹介記事は時代によって変化してきている。
私が読みはじめたのは41号からで、
この時代の新製品の紹介は井上先生と山中先生のふたりが担当されていて、
スピーカーシステム、アンプ関係、プレーヤー関係と大きく三つにわけられていて、
まずその号での新製品の動向について語られ、
つづくページで個々の製品について書き原稿であったり、対談であったりしていた。

このやり方が大きく変ったのは、56号からである。
56号から新製品の紹介記事にカラーページが使われるようになった。

そしてカラーページには「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」、
モノクロページには「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」とそれぞれタイトルがつけられている。

「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」の扉には、こう書いてあった。
      *
あたらしい、すぐれた製品との出会いは、私たちにとって、いつもドラマティックな体験です。心おどろせ、胸はずませて、あたらしい出会いを待ち受け、そして迎えるさまは、とうていマニアでない人びとには理解してもらえないでしょう。
そのマニアの中のマニアともいうべき、本誌筆者の方々に、毎号いちばんあたらしい、いちばん感動的な出会いについて書いていただこうというのが、このあたらしいページです。
やがて月日が経つとともに、それぞれの方々の出会いの歓びの鮮度は色あせていくかもしれません。あるいは、使いこんでいくうちに、日ましにその製品がもたらす歓びは色濃くなっていくかもしれません。
でも、それぞれ筆者自身にとっての、いまの真実は、ここに記されているとおりです。
     *
文末に(編集部)とある。
新製品の紹介ページの扉の文章だから、読んでいないという人がいても不思議ではない。
読んでいても、さらっと読んだくらいで、どんなことが書かれていたのかなんて、
まったく憶えていない人も少なくないだろう。

あまり日の目をみないところに書かれた文章ではあるけれど、
当時読んでいてもいい文章だと思ったし、いまあらためて読み返してみて、
こうやってキーボードで入力してみても、さりげないけれど、いい文章だと思っている。