附録について(その2)
ステレオサウンド社が出しているHiVi。
先月出た9月号にケーブルメーカー、ゾノトーンのUSGケーブルが附録になっていた。
今月発売のHiVi10月号には、dtsとの共同によるブルーレイディスクが附録になる。
ここまでは知っていた。
昨日驚いたのは、ここで附録がいったん終るのではなく、まだまだ続くということ。
11月号にはまたUSGケーブルが附録になる。
今度はSUPRA製のものだそうだ。
そして1月号、3月号もUSBケーブルが附録になる予定だ、という。
1月号と3月号のUSBケーブルがどのメーカーになるのかは未定のようだ。
附録路線に進むと思われるHiVi。
それにしても……、と思う。
なぜ、ここまでUSBケーブルを立て続けに附録にするのか、と。
これはケーブルメーカーの競争心を煽っているのではないのか。
私がケーブルメーカーの関係者だったとしたら、
HiViの附録用のUSBケーブルには採算度外視で優れたものを提供する。
多少赤字になっても、それはいい広告になるからだ。
それも、9月号よりも11月号に、11月号よりも1月号に、1月号よりも3月号に提供したい、と考える。
HiViの読者の手元には4種類のUSBケーブルが集まることになる。
当然HiViの読者はこれらを比較する。
どれが優れているのか──。
この比較で圧倒的な良さを読者に提示できれば、次の購入に繋がる可能性は高い。
だから最初に附録になったゾノトーンのケーブルよりも、次に附録になるSPURAのケーブルよりも、
負担は大きくなっても、これらよりも高い品質のものを提供する。
読者にとっては、これはありがたいことのようにも思えるだろう。
良質のUSBケーブルも、ケーブル単体を購入するよりも安く手に入れることができるから。
で、ほんとうに読者にとって、これはいいことなのだろうか。
ケーブルメーカーの負担は増える。
それにHiViが附録路線を今後も積極的に行っていくのであれば、
ケーブルメーカーは、以前のものよりももっといいものを……、ということになる。
こんなことがループのように続いていけば、いずれ疲弊していくのではないだろうか。
附録を全面的に否定はしないけれど、
出版社の良心として、たとえばUSBケーブルを附録としたら、
次に別のメーカーのUSBケーブルを附録にするのはある一定の期間をあけるとか、
先に附録としてケーブルを提供したメーカーが不利にならないように、
ケーブルは同時期に提供してもらい、順次附録としていくとか、
そういう配慮なしに附録路線を続けていくことに、編集者はなんの疑問も抱かなくなったのか。
(もしかするとUSBケーブルに関しては、同時期に提供してもらっているということも考えられる。)
編集者が、このような煽る行為をやっていいのだろうか。