Date: 5月 11th, 2009
Cate: 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと
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瀬川冬樹氏のこと(その55)

ピラミッド型のバランスとは、世の中は広いもので、
高域がなだらかに落ちていく周波数特性の音だとは思い込んでいる人が、ごくごく稀におられるが、
もちろんそんなことはない。

SAEのMark 2500もEMTの930stも、豊かな低域の量感に支えられたピラミッド型の帯域バランスをもつが、
だからといって、どちらも周波数特性で、低域が上昇しているわけではない。

いまどきオーディオ機器で、低域を意図的に上昇させているモノはないだろう。
なのに聴感上では、低音の量感が、機種によって大きく左右されるのは、なぜだろう。

アンプならば、電源部の容量が関係してくる……。
必ずしも、そうとは言えない。

結局、低音の量感の豊かさは、低音のゆるさ、ふくらみと密接な関係にある。
ゆるさは、ぬるさではない。
ふくらみは、鈍さではない。

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