Date: 9月 8th, 2011
Cate: High Fidelity
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ハイ・フィデリティ再考(その29・追補)

昨夜(9月7日)の、「幻聴日記」の町田秀夫さんとの公開対談で「レコード演奏家」について、すこし語った。

「レコード演奏家」を英訳すると、町田さんが「幻聴日記」に書かれているように、Record Player となる。
菅野先生も最初「レコード演奏家」の英訳として、Record Player と書かれている。
その後、JBLのスタッフの「レコード演奏家」の概念について話し合われて、
英訳は Record Music Player と改められている。

ただRecord Player にしてもRecord Music Player にしても、そして「レコード演奏家」にしても、
オーディオにさして関心のない方にこれらの表現を使って、概念は伝わり難い。
レコード(アナログディスク、CDだけでなく記録されているメディアすべて)とオーディオとの関係、
それぞれの存在性について語っていかなければ、まず理解はされない、と思う。

「レコード演奏家」論をきちんと読んでいる人に対しては、
Record Player、Record Music Player、どちらもストレートに、その意味するところが伝わるし、
むしろ「演奏者」ではなく「演奏家」という表現に、
すこしばかり抵抗(そこまでいかなくてもそれに近いもの)を感じている人にとっては、
日本語での「レコード演奏家」よりも、
Record Player、Record Music Playerのほうがより抵抗感なく使えるのかもしれない。

私自身、菅野線瀬の「レコード演奏家」論には賛同・共感しても、
私自身の年齢もあってのことだが、「演奏家」という表現には中途半端な年齢にも感じていて、
まだ「演奏者」のほうがいいのだが、
「レコード演奏者」となると、なんとなく語感がしっくりこないところも、感じてはいる。

これらのことをふまえて、私としては、Player よりも、Reproducer としたほうが、よりいいのでは、と考える。

この項、それに別項の「音を表現するということ」でも書いているように、Re(リ)にあえてこだわりたい。
いまではHi-Fiと略されることが多いが、正確には High Fidelity Reproduction である。

Record Music Reproducer──、
これが、現在の私の「レコード演奏家」論に対する解釈でもある。

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