Mark Levinsonというブランドの特異性(余談・825Ω)

「825Ωの復活か」──
エレクトリのサイトで公開されている
パス・ラボラトリーのフォノ・イコライザーアンプXP15の入力端子の拡大写真を見ていて、そんなことを思った。

1970年代、プログラムソースといえばアナログディスク(LP)だった時代、
コントロールアンプだけでなくプリメインアンプにも、フォノ入力の負荷抵抗を切替え機能が装備されていた。
MM型カートリッジの、メーカー推奨負荷抵抗値は、47kか50kΩ。
アンプ側も、標準の入力抵抗は47kか50kΩだが、この他に68k、75k、100kΩのポジションも用意されていた。
たいていは値が大きくなるだけだが、一部、25k、10kΩのポジションを持つアンプもあった。

標準の50k(47k)Ωよりも負荷抵抗値を上げていくと、カートリッジの高域特性のピークがより持ち上がる。
負荷抵抗を下げていくと、なだらかに高域が減衰していく。

また負荷容量を変えていくと、やはり高域特性に変化が見られる。
負荷抵抗を50kΩに固定して、負荷容量を増やしていくと、やはり高域のピークが大きくなるとともに、
ピークの中心周波数がわずかに低くなる。

トーンコントロール的な変化に近いが、たとえ同じような周波数特性になったとしても、
トーンコントロールで高域を上昇させた音と、
負荷抵抗を標準値よりも高くした音は、表面的な効果は似ていても、
カートリッジのピークは振動系のものだけに、音楽の細かな表情は,ずいぶんと違いが生じる。

だから負荷抵抗をあげて負荷容量も増すという使い方もあれば、
負荷抵抗だけを下げて、ということも試しながら、トーンコントロールとも併用してみる。
70年代のアンプでは、そういう使い方ができた。

さらに負荷容量に関しては、トーンアームの出力ケーブルがもつ線間容量も、負荷容量にプラスされる。
この部分のケーブルが長くなると、それだけ負荷容量は増していく。
1mのケーブルと2mのケーブルでは、同じ品種ならば、後者の線間容量は2倍の値になる。

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