Date: 7月 2nd, 2011
Cate: 40万の法則
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40万の法則が導くスピーカーの在り方(その2)

40万の法則が、人間の可聴帯域の下限と上限の積からきているとしたら、
低域に関してはそれほど個人差はないだろうけど、高域に関しては個人差があるし、
同じ人でも年齢とともに聴こえる高域の上限は低くなってくる。

若くて健康であれば40万の法則だろうが、歳をとり高域が仮に12kHzまでしか聴こえなくなっていたら、
下限の20Hzとの積で、24万の法則なってしまうのか、という反論があろう。

BBCのニクソンが、どうやってこの40万の法則を唱えるようになったのかは、
「盤塵集」を読むだけではわからない。
だからはっきりしたことは言えないのだが、
単純に下限の20と上限の20000をかけ合わせただけではないように思う。

B&Oの古い製品に、ラジオがある。
ポータブルラジオで、どんな音がするのか聴いたことはない。
このB&Oのラジオの音は、西新宿にあったサンスイのショールームで実際に聴いた人による、
ひじょうに素晴らしい音のバランスだった、ときいている。
瀬川先生が毎月行われていたチャレンジオーディオで、
このB&Oのラジオを鳴らされ、40万の法則について語られた、そうだ。

B&Oのラジオの周波数帯域は、ほぼぴったり40万の法則にそうものだったらしい。
ということはポータブルラジオで、おそらくスピーカーユニットはフルレンジ1発だろうから、
低域はせいぜい100Hz、とすると高域は4kHzということになる。
日本のメーカーだったら、同じ規模のラジオでももっと高域を延ばすことだろう。
8kHz、10kHzまで延ばすことは造作ないことだから。
もちろんB&Oも、4kHz以上まで高域を延ばすことはなんでもないことだったはず。
なのに、あえて4kHzなのである。

B&Oの、そのラジオは、ほんとうに美しい音がした──、
この話を数人の方から聞いている。

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