妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その24)
JBLには075というトゥイーターがある。
カタログ上のスペックでは、2.5kHz以上で使える、となっている。
ステレオサウンド別冊「HIGH-TECNIC SERIES 3」での
JBLのLE8Tをベースにしたトゥイーター55機種の試聴テストに、075が登場している。
そこで瀬川先生は、クロスオーバー周波数を試しに1.6kHzまで下げても音がへたることなく、
エネルギーとしてきちんと出ている、と話されている。
だからといって1.6kHzから使えるわけではないのだが、
この試聴ではトゥイーターはバッフルに取り付けられることなく行なわれている。
バッフル板があれば、周波数特性は変化する。
それも高い周波数よりも低い周波数において、その差ははっきりと出る。
それに試聴ではスロープ特性は12dB/oct.となっている。
これが18dB、さらに24dBという高次のカーヴで遮断したらどうなるか。
075を2発バッフルに取り付けたとしたら、そして3kHz以上で上側の075をロールオフする。
つまり3kHz以下の周波数においては075は2発鳴っているわけで、
エネルギーレスポンス的に下りがちのこの帯域を補えることになる。バッフル効果にそれに加わる。
最大音圧レベルをそれほど要求しなければ、075でもいける可能性があるかもしれない。
仮にうまくいくという保証があったら、LE175DLHではなく075を使うか、というと、やはりLE175DLHをとる。
これはLE175DLHを選んだ理由でもあるが、放射パターンによって、である。
075のホーンの形状、それから指向特性を実際に見てもビーム状であることが読み取れる。
できるだけ拡散して、それも受持ち帯域内では周波数によって指向特性ができるだけ変化しない、
でということを求めているからだ。