LNP2について(その8)
SN比に関して言えば、LNP2の場合、インプットアンプのゲインを0dB(増幅率:1)にすれば、
インプット、アウトプットレベルコントロールともに、それほど絞ることなく使えるだけでなく、
インプットアンプそのもののS/N比も、ゲインを低くすれば、その分NFB量を増すことになり、
+40dB時のSN比よりも、物理的に改善されるだけに、優位となる。
なのに音を聴くと、インプットアンプのゲインは高めに設定したくなる。
ぜひ、これだけは言っておきたいが、それほど音量を大きめにできない時こそ、
インプットアンプのゲインを高めにして、レベルコントロールを絞りぎみにする。
小音量になるほど、ゲインを高めにしたほうが、音が生きてくるし、冴えてくる。
そのかわり、レベルコントロールの設定は、すこしシビアになってくるけれども。
小音量時に必要とされるゲインからすると、インプットアンプのゲインを+40dBにすることは、
余剰ゲインを増やしていることになる。ますますオーバーゲイン(ゲイン過剰)のアンプになるわけだ。
この過剰さこそ、この時代のマークレビンソンのアンプに共通した特質でもあり、
それは過激さへとつながっている。
これこそ、個人的に、マークレビンソンのアンプ(JC2、LNP2L、ML2L)の、
もっとも魅力的なところだと、私には感じられる。