妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その12)
ウーファーの開口部を四角にすることのデメリットはある。
そのデメリットをさけて、さらに指向特性もよくしていこうとすれば、
必然的に2ウェイから3ウェイ、さらに4ウェイへとなっていく。
ここに、瀬川先生が、4ウェイ構成をとられてきたことの大きな理由がある、私は考えている。
もちろん4ウェイにも、メリット・デメリットがあり、指向特性に関してもメリット・デメリットがある。
それぞれのスピーカーユニットに指向特性のいいユニットを採用して、
さらに指向特性が良好な帯域だけを使用したとしても、それで指向特性に関してはすべてが解決するわけではない。
指向特性には水平方向と垂直方向があり、
4ウェイにおいて4つのスピーカーユニットをバッフルにどう配置するかによって、
水平・垂直両方向を均等に保つことは、ほぼ不可能なことだ。
4341、4350、4343、4345などで4ウェイ路線をすすめてきたJBLも、
1981年に2ウェイ構成のスタジオモニター4430、4435を発表している。
ホーンの解析がすすみ、バイラジアルホーンの開発があったからこその、
4300シリーズの4ウェイ・モニターに対する2ウェイの4400シリーズともいえる。
ただ、この項では、2ウェイなのか、4ウェイなのかについては、これ以上書かない。
この項では、独自のLS5/1を作ってみたい、ということから始まっているので、
あくまでも2ウェイのスピーカーシステムとして、どう作っていくかについて書いていく。
ウーファーの開口部は、LS5/1と同じように四角にする。
これはLS5/1と同じように、38cm口径のウーファーに1kHz以上までうけもたせるからである。
BBCモニターも、LS5/8、PM510の初期モデルでは採用していたが、途中からやめている。
そんなぐあいだから、現在市販されているスピーカーシステムで、
この手法を採用しているものはないと思っていたら、意外には、ひとつ見つけることができた。
ドイツのAmazonのA.M.T. Oneという2ウェイのスピーカーシステムだ。