Mauriat 100(その3)
イージーリスニングとかムード音楽、そんなふうにポール・モーリアの音楽は受け止められ、聴かれていた。
ポール・モーリアは、ポピュラー音楽とクラシック音楽の中間に位置すると、
自身の曲について、そう語っていたそうであるにも関わらず、
世間の受け止め方は、他の音楽よりも低き位置にあるものだったと感じる。
BGM、聞き流しのための音楽、邪魔にならない音楽──、
そんな感じだろう。
それでも一度きちんと向かい合って聴いてみれば、
そんな音楽ではないことは、ほとんどの人の耳に明らかなはず。
聴かずにいてもいいし、それじゃ一度聴いてみるか、となるのも、どちらでもいい。
聴いた方がいいとは言わないが、
ポール・モーリアの曲をかけて楽しめないシステム(音)は、
どこか未熟なところや不具合がある、と言っていいだろうぐらいに、
いまは、思っている。
そして今年はポール・モーリア生誕百年。
だからといってレコード会社が、何かやるわけでもないし、
音楽雑誌が特集を企画するわけでもない。
ひっそりと過ぎていくだけだろう。
私も、今年が生誕百年とは気づいていなかった。
今年のaudio wednesdayから、よく来られる、私よりもひと世代上の女性の方から教えてもらった。
ポール・モーリアの曲をかけたから、知ることができた。