真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その15)
いまも管球式のプリメインアンプは、数社から出ている。
けれど、多くがアマチュアが組む管球式プリメインアンプと同じスタイルといえる。
出来がいいとか悪いとか、そういうことではなく、
メーカー製プリメインアンプらしいスタイルではない、ということだ。
数センチの高さのシャーシーをベースにして、
その上部(天板)に真空管、トランス類を配置していく。
昔ながらの自作アンプのスタイルである。
自作アンプと、つい書いてしまったが、
自作パワーアンプのスタイルである。
このスタイルを、いまではメーカーも採用することが多い。
個人的には多すぎる、と感じている。
ラックスのSQ38のように、フロントパネルをもつ管球式プリメインアンプは、
ほんとうに少なくなった。
管球式プリメインアンプはこれからも登場するだろうが、
フロントパネルをもつ管球式プリメインアンプは、もう絶滅機種かもしれない。
アマチュアが管球式プリメインアンプを作るのであれば、
このスタイルがいちばん手間がかからない。
同じスタイルを、オーディオメーカーもとるのか。
心情的に納得がいかない、といえば、そうである。
それならばプリメインアンプにすることはない、
セパレート型のほうが、よほどすっきりする。
管球式プリメインアンプであるのならば、
管球式パワーアンプに、入力セレクターとボリュウムをつけました的ではなく、
しっかりと管球式プリメインアンプであってほしいだけである。