ケーブル考(その7)
接続ケーブルを、別のケーブルに交換すれば音は変化する。
その変化量が大きいか小さいかは別として、
そしてその変化量が聴きとれるかどうかも別として、音は必ず変化する。
その変化を楽しいと捉えることもできれば、面倒な、と思うことだってある。
ケーブルが同じであっても、コネクターの接点の状態によっても、音は変化する。
こんなことで変化しないでほしい──、というのが本音でもある。
それでも音は変る。
何をやっても音は変る。
それにしても、なぜここまで音の変化があるのだろうか──、と思う。
これは疑問である。
その理由を考えている。
いくつかの仮説は、私なりに持っている。
その一つについて、ここで書いておきたい。
ここで触れるのはラインケーブルについて、である。
CDプレーヤーとコントロールアンプもしくはプリメインアンプ、
コントロールアンプとパワーアンプ、そのあいだを接続するケーブルのことだ。
何をやったのかは詳しくは触れないが、ずっと以前にあることを試したことがある。
その時の音の変化は、予想よりも小さいものだった。
あれっ? と思ったものの、当時は、その理由について深く考えることはなかった。
それから二十年以上が経ち、ふと、あれって、もしかするとそういうことなのか──、
と思い出していた。
どういうことなのかと簡単にいえば、
それぞれの機器の電源が分かれているからなのではないか、である。
つまりCDプレーヤーにはCDプレーヤーの電源、
プリメインアンプにはプリメインアンプの電源、
コントロールアンプにはコントロールアンプの電源、
パワーアンプにはパワーアンプの電源が、
それぞれ独立してあることに起因している、という仮説である。