Date: 10月 15th, 2020
Cate: 真空管アンプ
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五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その26)

私が真空管アンプを自作するのであれば、
出力管のソケットの周囲には放熱用の穴を開ける。

伊藤アンプがそうしているから、その模倣である。
この穴は、出力管の放熱のため、といわれている。
穴以外の手法として、ソケットの取り付けを一段低くする、というものもある。

これらの手法は、ほんとうに出力管の放熱に寄与しているのだろうか。
出力管のほとんどは下部にベースがある。
この部分は熱をもたない。

熱を持つのはガラスのところである。

真空管アンプのシャーシー内に空冷ファンがあって、出力管に向けて送風しているであれば、
ソケットまわりの穴は放熱の役に立つ。

けれど伊藤アンプにも、そのほかのアンプにはファンが内蔵されているモノはまずない。
おそらく穴があろうとなかろうと出力管表面の温度、周囲の温度ともに変化はないはずだ。

それがわかっていても、自作するのであれば穴をあける。
伊藤アンプのように開けていくのは手間であるし、
穴をあければそれだげシャーシーの強度は低下する。

それでもあける理由は、あいていないとたたずまいが悪いからだ。
以前、伊藤先生の300Bシングルアンプとそっくりのアンプを、
あるオーディオ雑誌で見たことがある。

けれど、なんだかしまらない印象を受けた。
穴があいていないのだ。
外観上の違いは、穴の有無だけである。

なのに印象はずいぶん違う。
だから穴をあけるわけだが、
この穴は、デザインなのだろうか、デコレーションなのだろうか。

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