Date: 4月 22nd, 2020
Cate: マッスルオーディオ
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muscle audio Boot Camp(その15)

オーディオにおいて、静的特性の優秀さだけでなく、
動的特性の優秀さが求められるようになってきたのは、
1970年代後半ぐらいからだろうか。

広告やカタログをみても、動的特性の重要性が謳われるようになってきたし、
よく知られるところではTIM歪も、いわば動的な歪である。

ステレオサウンドでの、長島先生による測定でも、
パワーアンプの測定には、一般的にダミー抵抗を用いられるが、
それだけでなく三菱電機製作のダミースピーカーを負荷とした測定も行われている。
さらに負荷のインピーダンスを急激に変化させた状態での測定も行われていた。

動的特性が、静的特性よりも重要とはいわれながらも、
浸透しているようで浸透していないと感じることも、いまだけっこうある。

この項で書いてきているダンピングファクターは、その代表例といえる。
いまだダンピングファクターがいくつか、高い、低い、
そんなことを気にしている人が、若い人だけでなく、
私と同世代、上の世代の人のなかにはけっこういる。

よくいわれるのが、スピーカーのインピーダンスの動的な変化だ。
カタログに載っているインピーダンスカーヴは、いわば静的な値である。
実際の音楽信号が送り込まれたときのインピーダンスが、どんなふうに変化しているのかは、
いまだ誰も測定していないのではないだろうか。

少なくとも、私はこれまで見たことがない。

スピーカーのインピーダンスが、動的にはかなり変化しているのであれば、
アンプの出力インピーダンスも同じなのかもしれない。

静的な出力インピーダンスと動的な出力インピーダンスは、同じではないはず──、
そういう想像がつく。

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