Date: 2月 17th, 2019
Cate: 「本」
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雑誌の楽しみ方(最近感じていること・その3)

ほかの学校、ほかの地域がどうだったのかは知らないが、
私が通っていた学校、クラスでは小学一年生(続く二年生、三年生……)を、
かなり多くが読んでいた。

数えたわけではないが、読んでいない方が少なかったのではないだろうか。
しかもその多くは、小学校を卒業するまで読んでいたようにも思う。

ということは一人っ子でも小学一年生から六年生まで、
12×6で、72冊の小学館発行の雑誌を読んでいたわけだ。

兄弟(姉妹)がいれば、さらに増えよう。
私の場合、弟と妹がいたから、手元にある雑誌ということで読んでいた。
しかも小学生を対象とした雑誌は、その時代には少年マンガ誌くらいだった。

そのころは考えもしなかったことだが、これはすごいことのような気もする。

高校生のころ、星新一のショートショートに夢中になった。
題名も忘れたし、詳細もはっきりとは憶えていないが、こんな話があった。

あるメーカーが、万能幼児用ベッドなるモノを開発。
しかもそれを子供が生まれた家庭に無料で送る。
子供がむずかれば母親の手を煩わすことなくあやしてくれるし、
確かおむつの交換、その他、大変な育児の手間を代りにやってくれる。

それもただ機械的におこなうのではなく、やさしい声もついてくる。
こんな便利なモノだから、しかも無料なのだから普及する。

その万能ベッドに育てられた子供が大人になる。
するとベッドと同じ声で、コマーシャルが流れるようになる。
母親代りともいえる声が、これを買いましょう、あれを買いなさい、という。

それに抗えないのだ。
すんなり従ってしまう(つまり購入してしまう)。
このための万能ベッドだったのだ。

このショートショートを思い出したのは、
ステレオサウンドで働くようになってからだった。
小学館の小学○年生は、この万能ベッド的存在に近い存在に、
やり方によっては成りえたであろう──、とおもったことがある。

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