Date: 7月 19th, 2018
Cate: ケーブル
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ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(BTSの場合・その4)

1970年代のプリメインアンプ、コントロールアンプには、
PHONO入力に負荷抵抗切替えがついているモデルがいくつかあった。
負荷容量が切り替えられるモデルもあったが、
こちらはトーンアームの出力ケーブルでも調整できるため、
負荷抵抗切替えほどは多くはなかった。

そして、このころのオーディオ雑誌には、
負荷抵抗、負荷容量を変化させていった際のカートリッジの周波数特性の変化のグラフが、
よく載っていた。

オーディオに興味をもってすぐのころは、
MM型カートリッジ(MI型、IM型も含む)のインピーダンスが47kΩだと思い込んでいた。

だからアンプの入力インピーダンスは47kΩにすれば、
インピーダンスマッチングがとれるものだ、とも思い込んでいた。

でも数ヵ月もすると、そうでないことがわかってくる。
カタログを見ても、MM型カートリッジのインピーダンスの項目は、ないものもけっこうあった。
インピーダンスを表記しているものでも、1kHzの値でしかなかった。

MM型カートリッジにもMC型カートリッジにもコイルは必要であるが、
コイルの巻数が多く違う。

カートリッジのインピーダンスの等価回路は、
コイルの直流抵抗とコイルのインダクタンスが直列に接続されたものだ。

コイルの巻数が少なければ、可聴帯域におけるインダクタンスの影響は無視できるほどで、
実際に測定してもほぼフラットで、その値はコイルの直流抵抗値といっていい。

ところがMM型カートリッジとなると、そうはいかない。
低域では直流抵抗が支配的で、中域以上ではインピーダンスが上昇していく。

たとえばエンパイアの4000D/IIIのコイルの直流抵抗は432Ω、インダクタンスは166mH、
エラックのSTS455Eは1310Ωと508mH、オルトフォンのVMS20Eは900Ωと625mH、
シュアーのV15 TypeIIIは1350Ωと434mH、スタントンの681EEEは1560Ωと845mHである。

インピーダンスは、というと、4000D/IIIが1.1kΩ(1kHz)、10.4kΩ(10kHz)、21kΩ(20kHz)、
STS4555Eが3.5kΩ(1kHz)、32kΩ(10kHz)、64kΩ(20kHz)、
VMS20Eがが4.0kΩ(1kHz)、40kΩ(10kHz)、80kΩ(20kHz)、
V15 TypeIIIが3.0kΩ(1kHz)、27.3kΩ(10kHz)、55kΩ(20kHz)、
681EEEが5.5kΩ(1kHz)、53kΩ(10kHz)、105kΩ(20kHz)となっている。

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