シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(次なるステップは……・その1)
ステレオサウンド 35号。
そこで岩崎先生は、こんなことを書かれている。
*
これをフルレンジとしてまず使い、次なるステップでウーファーを追加し、最後に高音用を加えて3ウェイとして完成、という道を拓いてくれるのが何よりも大きな魅力だ。
*
パイオニアのPM12Fについての文章である。
コーン型のスコーカーである。
いわば小口径フルレンジともいえるユニットである。
このユニットからスタートしたのであれば、次のステップとして、
大半の人がトゥイーターを足すことを考える。
私だってそうである。
その次のステップでウーファーとなるわけだが、
岩崎先生は違い、トゥイーターよりも先にウーファーを優先されている。
これを読んだ時は驚いた。
気持のいい驚きだった。
いつかはフルレンジに、まずウーファーを足した音を聴いてみたい、と思いつつも、
試すことなく、ずるずる今日まで経ってしまった。
今日、小口径(10cm)フルレンジに、サブウーファー(一基)を加えた音を聴いた。
サブウーファーはエンテック。
MFBを採用したサブウーファーである。
カットオフ周波数は、以前のスピーカーのままで、レベルだけ簡単に調整しての音。
とはいえ、10cmフルレンジにサブウーファーが加わった音は、悪くない。
悪くないどころか、確かにトゥイーターよりもウーファーかも……、と思わせるだけの鳴り方だ。
これがもう少し口径の大きなフルレンジだったら、
トゥイーターが先ということになるのだろうが、
小口径であれば、次なるステップはウーファーを考えてみたい。