ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その70)
SUMOのThe Goldには、アンバランス入力とバランス入力がついていた。
SUMOのアンプの回路構成からいえばバランス入力のほうが本筋であるし、
アンバランス入力ではOPアンプによるアンバランス/バランス変換回路を通る。
The Goldのバランス入力の音も聴いていた。
アンバランス入力の音も聴いている。
コントロールアンプもいくつか試している。
マークレビンソンのJC2(初期のツマミの長いタイプ)、
それもジョン・カール監修のモディファイ版でも聴いている。
ここでも書いているように、GASのThaedraを、もちろん聴いている。
これ以外にも聴いている。
私がThe Goldとの組合せを聴いてみたかったのはコントロールアンプは、他にもある。
ひとつはビバリッジのRM1/RM2である。
山中先生がステレオサウンド 56号での組合せでは、
JBLの4343とアルテックの6041を鳴らすアンプとして、
RM1/RM2とThe Goldの組合せだった。
新世代の真空管式コントロールアンプとしてRM1/RM2の音はとても興味があったが、
いったい日本に何台輸入されたのか、一度も見たことがない。
もうひとつがマークレビンソンのML6(シルバーパネルの方)である。
ML6は一度買おうとしたことかある。
もちろん中古である。
めったに出ないML6の中古が、その店にはあった。
当時の最高回数である36回の分割払いならば、なんとか買えそうだった。
でも23歳の私は、分割払いの審査が通らなかった。
Thaedraを、山中先生から譲っていただいたのは、その後である。
Thaedraでの圧倒的な音を聴いて、無理してML6を買わなくてよかった、とも思った。
それでもML6のことを、ここであえて書いているのは、
ここでのテーマである朦朧体に関していえば、
ML6とThe Goldの組合せは悪くないどころか、
意外にも魅力的な音を聴かせてくれたかもしれない──、そう思えるからだ。