結線というテーマ(その5)
今回試したアースの共通インピーダンスに着目した結線は、
実は昨秋、ラインケーブルで、その音を聴いてもらっている。
もっともどういう結線にしているのかはほとんど説明せずに、
ただ共通インピーダンスに着目して、という簡単な説明だけで、
マッキントッシュのMA2275のパワーアンプ部だけを使い、
ポテンショメーターでの音出しだった。
この時使ったポテンショメーターも、特に高価なものではない。
むしろ廉いモノだ。ケーブルも同じく1mあたり数百円クラスのモノである。
高価なパッシヴフェーダーが市場にはいくつかある。
高価なケーブルも、もっともっともある。
それらをあれこれ組み合わせる前に、着目してほしい点がある、ということだ。
このアースの共通インピーダンスに関しては、別に新しい問題ではない。
昔からいわれていたことでもある。
1980年代後半のラジオ技術で、富田嘉和氏が書かれていたことを読んでいる人ならば、
そして、富田氏がそれらの記事で推薦されたいた二冊の本、
「GROUNDING AND SHIELDING TECHNIQUES IN INSTRUMENTATION」と
「NOISE REDUCTION TECHNIQUES IN ELECTRONIC SYSTEMS」、
この二冊を読んでいる人ならば、思いつく結線方法である。
これらを読んでいなくとも、真空管アンプを自作したことのある人、
電源部のワイアリングにおいて、伊藤アンプの配線をじっくり見ている人ならば、
基本中の基本といえることである。
真空管アンプの電源部と違い、
ラインケーブルにおいてもスピーカーケーブルにおいても、
アースの共通インピーダンスのことを無視した結線でもハムが出るということはない。
だからなのか、つい見過されてしまう。