Date: 3月 3rd, 2017
Cate: 新製品
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新製品(TANNOY Legacy Series・その6)

「五味オーディオ教室」をくり返しくり返し読んでいた中学生の私にとって、
タンノイは特別な存在であった。

そしてオートグラフは、さらに特別な存在だった。
1976年、オートグラフは輸入元のティアック製造のエンクロージュアにおさめられたモノだった。

エンクロージュアはオリジナル!
「五味オーディオ教室」を読んでいた私にとって、それは絶対であり、
いくらタンノイが承認したエンクロージュアであっても、
国産エンクロージュアのオートグラフは別物であった。

1976年当時のタンノイのラインナップはABCシリーズ。
その中でいちばん下のEatonは、身近に思える存在だった。

Eatonの価格は80,000円(一本)。
搭載されているユニットHPD295Aは60,000円だった。
エンクロージュアの価格は20,000となるのか……、そんなことを思いながらHI-FI STEREO GUIDEを眺めていた。

Ardenは220,000円で、HPD385Aは100,000円。
エンクロージュアは120,000円。

ArdenとEatonは大きさがかなり違う。
輸送コストも違ってくるわけで、
スピーカーシステムの価格からユニットの価格を差し引いたのが、
エンクロージュアの価格とはいえないのはわかっていても、当時はそんな単純計算をしていた。

HPD295Aを買ってきて、エンクロージュアを自作するよりもEatonは安く感じられた。
実際に自作よりも安いといえる。

このEatonを、オートグラフをつくりあげたガイ・R・ファウンテン氏を鳴らしていた。
ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」のタンノイ号で、
瀬川先生がタンノイのリビングストンにインタヴューされている記事のなかで、
それは語られている。
    *
彼は家ではほんとうに音楽を愛した人で、クラシック、ライトミュージック、ライトオペラが好きだったようです。ロックにはあまり興味がなかったように思います。システムユニットとしてはイートンが二つ、ニッコーのレシーバー、それにティアックのカセットです。
     *
オートグラフでなく、ArdenでもなくEatonである。

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